会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(64)の処遇をめぐり、逮捕・起訴された後もゴーン被告を会長兼CEO(最高経営責任者)の職に留任させてきた仏ルノーが、近く解任に踏み切る可能性が出てきた。仏紙フィガロが15日、ルノーが20日にも取締役会を開き、新体制の人事について議論する見通しだと報じた。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
同紙によると、次期会長に仏タイヤメーカー、ミシュランCEOのジャン・ドミニク・スナール氏、次期CEOにはゴーン被告の逮捕後にCEO暫定代行に就いたティエリー・ボロレ氏が就く案が有力という。ルノーの筆頭株主の仏政府が政府関係者をすでに東京に派遣しており、日本政府の関係者や日産関係者と面会する予定だとも報じた。後任人事に関する根回しをするとみられる。
ゴーン被告が昨年11月に東京地検特捜部に逮捕された後、ルノーは会長兼CEO職の解任を取締役会で3度見送ってきた。仏政府も「推定無罪の原則が働く」(ルメール経済・財務相)としてルノーの判断を一貫して支持してきた。昨年11月の逮捕直後に会長職を解いた日産、三菱自動車とは対応が分かれていた。
仏政府にとっての最優先事項は、日産株の43%を持つルノーを通じて日産への影響力を維持することだ。日産幹部は「仏政府はゴーン会長兼CEOを留任させておくのが得策かどうかを見極めていたが、ついに見限ったのだろう」とみる。ゴーン被告の保釈請求を東京地裁が退けたことで勾留が長期化し、ルノーの経営トップの不在が長引く見通しになったことが、ゴーン被告を擁護してきたルノーや仏政府の判断の見直しにつながった可能性がある。
ルノーが解任に踏み切れば、ゴ…