岐阜県各務原市の養豚場の豚が、豚(とん)コレラウイルスに感染していたことが29日、明らかになった。岐阜県では飼育下の豚やイノシシへの感染は7例目になる。国や県の調査チームは感染経路などの調査を続け、飼育施設は対策を進めるが、終息は見通せていない。
26年ぶり豚コレラ、感染拡大止まらず 消費者に影響は
県によると、28日午前8時ごろ、養豚場から県中央家畜保健衛生所に「複数頭の豚に発熱、呼吸器症状がある」と連絡が入った。立ち入り検査で子豚1頭の死亡が確認され、県の遺伝子検査で陽性反応が出たため、県と国の協議を経て、29日午前、豚コレラと判定。県は自衛隊に災害派遣を要請した。
養豚場では29日午前9時から計1585頭の殺処分が始まり、午後4時までに1079頭が処分された。同じ養豚場から28日に豚17頭が出荷された岐阜市内の食肉処理場でも、29日夕方、感染拡大を防ぐため、ほかの飼育施設から出荷された豚も含めた計149頭の殺処分が始まった。
岐阜県内の豚コレラは昨年9月に国内で26年ぶりに確認されて以来、感染が拡大している。野生のイノシシでもこれまでに108頭への感染が確認された。一方、豚コレラは人には感染せず、感染した豚の肉を食べても健康への影響はない。
養豚の現場では、止まらぬ感染…