交際相手だった女性を蹴るなどしたとして、暴行罪などに問われた福岡市の男性(29)に対し、福岡地裁(松村一成裁判官)は29日、「女性が虚偽申告した可能性もあり、供述の信用性には疑問を抱かざるを得ない」と述べ、無罪(求刑懲役1年)を言い渡した。
男性は2018年5月11日、福岡市中央区の女性(当時23)方で、女性の首を蹴り、「別れるくらいならお前一人が死ね」と言って、包丁を突きつけて脅したとして起訴された。
判決は、女性が公判で事件の経緯を説明する中で、「男性が果物ナイフをバッグから取り出した」と供述した一方、捜査段階ではその話はしていなかった点などを「不自然」と指摘。犯行時刻から110番通報までの時間も、捜査段階と公判で約30分のずれがあることなどを踏まえて、「男性との関係を優位に保とうなどと考え、公判で虚偽供述をした可能性も否定できない」と判断した。(一條優太)