衆院予算委員会は4日午前、安倍晋三首相と全閣僚が出席し、基本的質疑が始まった。厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査などの実態解明が焦点となる。不正調査で生じた雇用保険などの過少給付について根本匠厚労相は「給付の種類ごとの工程表」を4日に公表し、過去の受給者には4~11月ごろに通知する考えを表明した。
厚労省によると、過去の受給者への追加支給の開始時期は雇用保険が11月、船員保険は6月になる見通し。現在受給している人への過去の不足分は、雇用保険と船員保険で4月に支給を始めるとしている。現在受給中の人について根本氏は、3~6月から正しい額を支給する方針を改めて示した。
また厚労省の「毎月勤労統計」の不正調査をめぐり、特別監察委員会の検証に厚労省職員が同席するなど中立性に疑問符がついていることについて、根本氏は「第三者性を強調し過ぎたことは反省している」と述べた。
いずれも自民党の小泉進次郎厚労部会長の質問に答えた。
首相は、統計不正問題について「統計をめぐる問題を受け、(総務省の)統計委員会に点検検証部会を設置し、調査対象、方法などが妥当か、再発防止や統計の品質向上の観点から徹底した検証を行う」と述べ、再発防止策に注力していることを強調した。自民党の宮下一郎氏の質問に答えた。
予算委に先立つ同委理事会は、厚生労働省の「賃金構造基本統計」の不適切な調査をめぐり更迭された大西康之前政策統括官(局長級、1日付で大臣官房付に異動)を政府参考人として予算委に招致しないことを決めた。野党が招致を求めたが、与党は「現職ではない」との理由で拒否した。
大西氏は、総務省による一斉点検で賃金統計問題の報告漏れを指摘され更迭された。同委の野党筆頭理事である立憲民主党の逢坂誠二氏は「こんなことを認めたら不都合な人物は人事異動すればいいことになる。証人隠しだ」と批判した。
賃金統計問題について、総務省…