拡大の一途をたどる統計不正問題が4日の衆院予算委員会の焦点となった。野党は「解明をブロック」「アベノミクス偽装」と政権批判を強めたが、与党はカギを握る官僚の招致を拒否するなど「火消し」の姿勢が目立った。実態解明に向け、国会の機能が改めて問われている。
野党、招致拒否を批判
野党は、問題究明に及び腰な政府与党の姿をあぶり出すことに注力した。
「実態解明のブロックを政府与党がしている。大西氏をなぜ呼ばないのか」。立憲民主党の長妻昭・元厚生労働相は声を大にした。
「大西氏」は、厚労省の大西康之・前政策統括官(現・大臣官房付)。厚労省の「賃金構造基本統計」の不適切調査のカギを握るとみて、野党は衆院予算委員会への政府参考人招致を求めていたが、与党は大西氏が1日に更迭されたことを理由に拒否した。だが、安倍晋三首相は「国会の運営は(予算)委員会で決めること」と突き放した。
予算委に出た参考人が、質問に口を閉ざす場面も。同省の「毎月勤労統計」の不正調査問題を検証する特別監察委員会の樋口美雄委員長は、長妻氏に「なぜ1週間で結論を出し、再調査となったのか」と問われたが、「本日は労働政策研究・研修機構理事長として招致されている。答弁は差し控える」と繰り返した。長妻氏は「答えられないのは誰かがそういうサジェスチョン(示唆)をしたのか」と不満を示した。
野党が統計不正問題の先に見据…