太平洋戦争中に沈没した戦艦「比叡」の船体の一部が、ソロモン諸島沖の海底で見つかった。米マイクロソフトの共同創業者、故ポール・アレン氏が率いた探索チームの調査船が1月31日、船首側に近い位置で切断された船体を確認した。 写真特集:戦火の残響 南洋を巡る旅 特集:戦火の残響 同諸島にあるガダルカナル島の北西沖で、水深985メートルの海底に、全長222メートルあった比叡の船尾側の150メートルほどが沈んでいた。船の推進用のプロペラや舵(かじ)板、高角砲や機関銃の弾丸が入っていた箱のようなものも見つかったが、船首側の船体(約70メートル)は発見できなかった。 比叡は1941年12月の真珠湾攻撃に護衛艦として参加。42年にはガダルカナル島をめぐる戦いに投入され、同年11月に連合軍の攻撃を受けて舵がきかなくなり、日本軍が自ら水を入れて沈没させたとされる。太平洋戦争で初めて沈んだ日本の戦艦で、交戦で乗組員188人が犠牲になった。 旧日本海軍の戦史に詳しい広島県の呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)の戸高一成館長は船体が切断された原因について「船が沈む際に火薬庫が何らかの理由で爆発したのではないか」と分析。今回の発見については「戦争の悲劇を知り、改めて平和の大切さを考える意味がある」と話した。(シドニー=小暮哲夫) |
戦艦・比叡、ソロモン沖の海底で発見 太平洋戦争で沈没
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