スルガ銀行(静岡県沼津市)のシェアハウス融資の不正問題を巡り、同行が岡野光喜前会長ら9人(故人を含む)を相手取って総額35億円の損害賠償を求めた訴訟で、第1回口頭弁論が8日に静岡地裁(関口剛弘裁判長)であった。被告側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。
スルガ銀、創業家の前CEOら訴える 「信用失墜」
スルガ銀創業家、資金の流れまだ不透明 闇残し調査終結
シェアハウス融資では、不動産業者らが融資資料を改ざんして顧客の貯蓄などを水増しし、スルガ銀行員も融資実績を上げるため黙認する組織的な不正が横行した。不正も背景に融資を伸ばしたスルガ銀は一転、シェアハウス関連だけで1300億円超の引当金を計上。2018年9月中間決算で1000億円超の純損失に転落した。
訴状では、岡野前会長らは書類の改ざん例や審査の形骸化を認識しながら、融資を止めたり調べたりする義務を怠ったとしている。義務違反で生じた損害額の一部として、創業家出身の岡野前会長と実弟の岡野喜之助元副社長(故人、被告は相続人4人)には35億円全額、前取締役・役員計6人と現取締役1人には35億円のうち11億円を連帯して払うよう求める。
これに対し、被告側は請求棄却を求める答弁書を提出。被告ごとに問題となる行為や認識を具体的に説明するよう原告側に求めた。次回期日は5月31日。
シェアハウス投資の被害弁護団…