消費者金融並みの高金利なのに法規制が緩く、融資が伸びていた銀行カードローンの残高が8年ぶりに減った。国内銀行136行の2018年末時点の貸出残高は、前年末より0・8%少ない5兆6995億円で、10年末以来の前年比マイナスとなった。日本銀行が8日公表した。
消費者金融は年収の3分の1以下しか貸せない「総量規制」があるが、規制外の銀行は貸出額の上限がなく、過剰融資が批判された。17年春以降、大手銀行が過剰融資を見直し、金融庁も監督を強化するなどしたため融資増にブレーキがかかった。ただ、16年から増加に転じた個人の自己破産申立数は、昨年も前年比6%台の大幅増加が続いている。
日本銀行の金融緩和による超低金利下でも高金利で貸せるカードローンは銀行の収益源となり、国内銀行の貸出残高は12年末からの5年間で7割近くも増えていた。