関西学院大アメリカンフットボール部を11度の学生王者へ導いた鳥内秀晃監督(60)が、今秋開幕の2019年シーズン限りで退任する。11日、大阪市内で開かれた甲子園ボウル優勝祝賀会で「来シーズンをもちまして、監督を退こうと決めました」と述べた。還暦を迎え、来季で4年の契約が切れるのを機に後進に道を譲る。後任は未定。
体罰なき鳥内流、教え子の記者が残す18年前のカセット
関学大監督だった父の昭人さんの影響で、関学大でアメフトを始め、現役時代はパス攻撃を防ぐディフェンスバック(DB)、高校時代はサッカー部だったこともありキッカーも務めた。卒業後、米国へコーチ留学し、1986年に関学大コーチ、92年に監督に昇格した。2018年度で就任27年目になり、関学大の監督では歴代最長。学生日本一を決める甲子園ボウルには14回出場して、11度優勝。01年度にはライスボウルで社会人に勝ち、関学大史上唯一の日本一を達成した。
18年5月に起きた日大の悪質タックル問題では、関学大の部員が被害者に。鳥内監督は複数回の記者会見に臨み、「指導者として体罰で恐怖心を与えても意味がない」などと厳然とした態度で対応した。そして問題の影響で揺れるチームを立て直し、甲子園ボウル制覇に導いた。
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鳥内監督 祝賀会の壇上で来季限りの退任を発表。「去年から決めていた。86年にコーチをして、92年から監督をやった。来年は4年契約の7期目、計28年。それが区切りやと。次の世代に任せようかなと思うんで」