名古屋市は新年度、名古屋城のコンクリート製現天守の解体に向けた設備をつくる。木造新天守を建てる際にも活用する予定で、12日に発表した、名古屋城天守に関する新年度特別会計当初予算案に9億6100万円の整備費を計上した。
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市が設置するのは「作業構台」と「桟橋」。構台は鉄骨製の巨大な人工の床で、主に天守の北側と西側に設ける。天守台石垣の上部と同じ高さにしてスロープを設け、天守の近くまで重機を入れられるようにする。
桟橋は天守北側の外堀に架けて、名城公園と構台を結ぶ。観光客とは別の動線をつくり、現天守の解体で出るコンクリート片や新天守建築で使う木材などを工事車両で運べるようにする。
市は、国の許可が見通せない天守木造化計画と現天守解体を切り離し、まず解体工事の許可を得ようとしている。文化庁は「石垣にダメージを与えない工法が示されれば、受理して可否を検討する」と慎重な姿勢だが、河村たかし市長は今秋にも解体を始めたい意向で、市は必要な設備をつくることにした。
名古屋城天守木造化ではこのほ…