「毎月勤労統計」の不正調査問題をめぐり、安倍晋三首相の秘書官が2015年9月に調査対象事業所の入れ替えに伴う賃金の変動についての「問題意識」を厚生労働省に伝えていたことが13日、明らかになった。首相が同日の衆院予算委員会で立憲民主党会派の大串博志氏の質問に答えた。
勤労統計では、調査対象の半数を占める従業員30~499人の事業所の15年1月の全数入れ替えに伴い、過去の増減率が増加から減少に転じた月があった。厚労省は「各方面から分かりにくいとの意見が寄せられた」として同年6月から「毎月勤労統計の改善に関する検討会」で事業所の入れ替え方法などについて議論を始めた。同年9月の第6回会合で、「引き続き検討」とする「中間的整理(案)」をまとめた。
首相は13日の予算委で、「15年9月に国会で質問を受け、答弁を準備する際に事業所入れ替えの影響がある旨の説明を受け、認識した」と述べた。また、当時の首相秘書官が厚労省から賃金の変動について説明を受けた際、「過去にさかのぼって数値が大幅に変わる理由や実態を適切に表すための改善の可能性などについて問題意識を伝えた」と述べた。一方で「私から勤労統計について指示をしたことは全くない」とした。
厚労省は検討会を15年9月以…