タイと米国が主催する東南アジア最大の多国間軍事演習「コブラゴールド」が12日、タイ北部ピサヌロークで始まった。トランプ政権になり、米国はタイ軍事政権と距離を縮めており、この日も両国の軍幹部は互いを「最も大事な同盟国」などと強調した。演習は38回目で、日本、韓国、インドネシアなど計29カ国が参加する。
12日の開会式では、米国のピーター・ヘイモンド臨時代理大使が、「この軍事演習は世界で最も長いもので、米・タイ両国も歴史的に緊密な連携を続けている」とあいさつした。
2014年のタイのクーデターに対し、米国はオバマ大統領(当時)が批判的だったが、政権が代わった直後から両国関係は改善。トランプ大統領は17年、米国でプラユット暫定首相と会談し、18年には軍事政権幹部や軍幹部が米国防総省やハワイの軍事施設を訪問するなど一気に距離が縮まった。南シナ海問題などをめぐり、中国への警戒を強めるトランプ政権の姿勢が背景にあるとみられる。
今回の演習では、中国とインドは人道支援の訓練のみでの参加。日本からは自衛隊員が派遣され、邦人保護訓練などを行う予定になっている。(ピサヌローク=染田屋竜太)