秋田県男鹿市の航空自衛隊加茂分屯(ぶんとん)基地が考案した鶏の唐揚げ「加茂しょっつる空(から)上げ」の販売が、今月から同市内の飲食店などで始まった。関係者は「ご当地グルメとして観光客の増加や地域の活性化につながれば」と期待する。
「加茂しょっつる空上げ」は、男鹿産しょっつるや県内産日本酒で味付けし、衣にも県内産の米粉を使うのが条件。しょっつる風味で鶏肉の臭みがとれて食べやすく、サクサクした食感が特徴という。
もともと同分屯基地の給食で月1、2回出される伝統メニュー。基地での味付けをもとにレシピを決め、昨年9月に市や市商工会などと協定を結んで普及への協力を呼びかけてきた。
まず同市内の11店舗で食事や弁当、スーパーの総菜などとして提供が始まった。定食(820円)をメニューにした飲食店「省吾」(同市船川港船川)の竹谷一広代表(52)は「新たなご当地グルメで男鹿をPRしたい。各店の独自の工夫を生かした『空上げ』が広がっていけばいい」。
海上自衛隊のカレーなどに並ぶ定番食をと、航空自衛隊が2015年度から全国の基地で取り組んでいる独自の唐揚げを普及させる活動の一環。「空上げ」は「空自全体で上をめざす」意味で名づけられた。志賀一範・同基地司令は「同じ男鹿住民として地域経済の活性化に協力し、地域の人たちに基地の存在をアピールしていきたい」と話している。問い合わせは市商工会(0185・24・4141)へ。(金井信義)