在留カードの「偽造工場」が摘発され、偽造を担っていたとみられる中国籍の無職、劉万磊(りゅうばんらい)容疑者(34)=大阪市港区夕凪1丁目=が出入国管理法違反(偽造在留カード所持)容疑で逮捕された事件で、劉容疑者から偽造カードを受け取っていたベトナム人の男(26)が、国内のほかの偽造拠点からも偽造カードを入手していたことが、県警への取材で分かった。一連の捜査で、国内に複数の偽造拠点があることが明らかになった。
県警は昨年11月、このベトナム人の男を入管法違反(偽造在留カード行使)容疑で逮捕した。男は偽造カード売買のブローカーで、「昨年1~11月、偽造カードを11人に提供した」と説明。男の自宅からは、偽造カードの郵送に使われたレターパック5通が見つかった。うち3通が劉容疑者から、2通は埼玉県の別の偽造拠点から届いたものとみられる。
県警によると、偽造の拠点は従来、日本の警察の手が及びにくい海外が中心とみられてきたが、偽造カードを国際郵便で送る際に日本の税関に止められるリスクがあり、時間もかかる。このため、最近は国内に移行しているとみられるが、摘発されるのを警戒して短期間でアパートなどを転々としているという。劉容疑者も1カ月の間に2度も拠点を変えていたことがわかっている。
県警は18日、劉容疑者をインドネシア人名義の偽造在留カードを所持した疑いで現行犯逮捕した。劉容疑者が半年間に数千枚の偽造カードを作っていたとみて調べている。
■雇用側も見て見ぬふり 人手不…