天皇陛下の即位30年を祝う26日の宮中茶会には、陛下が心を寄せてきた戦没者慰霊の関係者も招かれた。天皇陛下と皇后さまに「もう一度感謝を伝えたい」と高齢を押して皇居・宮殿に集まった。
宮中茶会に五輪メダリストら 陛下の即位30年を祝う
南洋のパラオ共和国であった日米の激戦から生還した倉田洋二さん(92)は車椅子で現れた。「陛下にお会いできるのもこれが最後と思い、やってきました」と話す。両陛下が戦後70年の2015年にパラオ・ペリリュー島を訪れた際、現地で出迎えた。自身はペリリュー島の近くのアンガウル島の戦いに参戦し、左半身に重傷を負いながら生還。両陛下がアンガウル島に向かって頭(こうべ)を垂れるのを、約1200人の戦死者名簿を抱えて見守った。
あれから4年。すっかり体の自由が利かなくなったが、「戦友に代わり、もう一度『ありがとう』と伝えたい」と、茶会に臨んだ。皇后さまから、戦死者名簿について「送ってくだされば必ず拝見します」と声をかけられ、万感の思いがこみ上げた。
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