皇太子さまは23日、59歳の誕生日を迎えた。この日に報道されることを前提に21日、東京・元赤坂の東宮御所で記者会見に臨んだ。平成という時代を「人々の生活様式や価値観が多様化した時代」と回顧し、「この多様性を寛容の精神で受け入れ、お互いを高め合い、更に発展させていくことが大切」と述べた。
「国民に寄り添う 今後も大きな柱」皇太子さま会見全文
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皇太子としては最後の会見。5月1日に即位を控え「これからのことを思うと、とても厳粛な気持ち」と心境を明かした。「国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、共に悲しみながら象徴としての務めを果たしてまいりたい」と新天皇になる決意も語った。
天皇陛下がビデオメッセージで退位の意向をにじませた2016年8月以来、自身が担う重責に思いを巡らせる機会が増えたという。天皇、皇后両陛下から様々な機会に話を聞いていることが「大きな道標(しるべ)となる」とし、過去の天皇の歩みと、天皇は象徴であるとの憲法の規定に思いを致し「国民と苦楽を共にしながら国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、望ましい在り方を求め続けることが大切」と述べた。
一方、「その時代時代で新しい風が吹くように」「時代に応じて求められる皇室の在り方を追い求めていきたい」とも語り、長年の水問題の研究で得た知見も、防災・減災を考える際にいかしたいと意欲を見せた。皇太子として活動するにあたり、皇室がなすべきことを的確に感じ取れるよう、広く国民と接するようにしてきたといい、「今後も活動の大きな柱として大切にしていきたい」と語った。
療養中の雅子さまについては「快復の途上」とし、新皇后として公務が増えても「一朝一夕に全てをこなせるようになるわけではない」と述べつつ、海外での経験をいかした国際的な活動への期待もにじませた。
秋篠宮さまが公費支出に疑問を呈した「大嘗祭(だいじょうさい)」については、「前例を踏まえ、政府で十分な検討を行った上で決定したものと理解をしている」と述べた。(中田絢子、多田晃子)
■記者会…