政府軍や米軍が反政府勢力タリバーンと戦っているアフガニスタンを巡り、米軍撤退を目指す米トランプ政権とタリバーンの協議がカタールの首都ドーハで始まった。米軍が撤退しても政情が崩れないような政治環境を整えられるか。18年戦ってきた両者の協議は、和平の実現に向けて大きな山場を迎えている。
目的は「あくまで和平」国連アフガン特別代表・山本さん
今回の協議には初めてタリバーン中枢幹部で政治部門トップのバラダル幹部が参加し、25日に米代表団と顔合わせをした。協議は数日間続く見通し。
米とタリバーンの協議は昨年7月に始まった。米軍撤退を目指し消耗戦を続けてきたタリバーンが、費用がかさむ紛争から手を引きたいトランプ政権の申し出に応じる格好で歩み寄っている。今年1月下旬の協議では、タリバーンがアフガニスタンでのテロ組織の活動を許さないことを条件に、米国が駐留軍を撤退させることで大筋合意した。
協議の課題は、紛争の当事者であるアフガン政府が参加できていないことだ。タリバーンは政府を「米国の傀儡(かいらい)」と批判して正統性を認めていない。
米国としては、米軍が撤退しや…