農機大手のクボタの木股昌俊社長(67)が、後継者が見つからない農地の作業を、クボタが受託する構想を明らかにした。担い手不足の課題を解決し、自動運転農機など自社が開発した技術の普及が狙いだ。
木股氏が朝日新聞のインタビューに対し、「今後就農人口が減るのは目に見えている。農機を売るだけでなく、地域に役立つことをやっていく」と話した。
クボタは子会社などが運営する「クボタファーム」を、全国13カ所に持つ。ここを通じて農地を借り受ける仕組みを検討している。全国に約800あるクボタの営業所や販売代理店の従業員らを、受託事業にシフトすることも考える。国内では農機の販売は伸びにくいためだ。
クボタファームは2014年にスタートし、米や野菜生産の省力化や、品質の高い作物を生産する取り組みを進めている。農地は現在約180ヘクタールで、計1千ヘクタールまで広げる計画だ。
受託事業はこの計画の先にあるが、点在する小規模農地でも効率化できるのかなど、課題も多い。(伊藤弘毅)