シンガポールで2018年6月、言葉を交わすトランプ米大統領(右)と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長=AP
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米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による首脳会談が27、28の両日行われます。主に北朝鮮の核問題が話し合われますが、今回の焦点は何なのでしょうか。また、日本にはどんな影響があるのでしょうか。理解につながるオススメ記事を紹介します。
両首脳の狙いは
シンガポールで昨年6月、トランプ米大統領(右)と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長=AP
史上初の米朝首脳会談は昨年6月、シンガポールで行われました。歴史的なできごととして注目を集めましたが、その後の動きは停滞。北朝鮮は今も核ミサイルの開発を続けているとされます。
トランプ氏は今回、北朝鮮に譲歩してでも成果を引き出したい考えです。そこには理由があり、正恩氏にもトランプ氏との直接交渉頼みという事情があります。
米朝、なぜ再び首脳会談? 北朝鮮が狙う「核保有国」化
会談のポイントは
2017年11月に試射された大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」。朝鮮中央通信が配信した=朝鮮通信
米朝首脳は前回の会談で、「朝鮮半島の完全な非核化」を約束しました。ところが、この「非核化」が何を表すのか、定義がはっきりしません。
米国は北朝鮮が持つすべての核兵器の廃棄を求めています。これに対し、北朝鮮は新たに核開発をしないだけで、既に持っている核兵器は温存する構えです。この点について、識者に詳しく聞きました。
そもそも「完全な非核化」って何? 米朝会談での進展は
米国の「見返り」とは
26日、ベトナムに到着して歓迎される金正恩朝鮮労働党委員長(右)=朝鮮中央通信のホームページから
かたくなな姿勢を崩さない北朝鮮に対し、トランプ氏のトップダウンで今回の首脳会談を決めた米国は、何らかの「見返り」を示すことで、話を前に進めたい考えです。
では、何を出すのか。北朝鮮が求めるのは経済制裁の緩和ですが、核問題での進展がないままに見返りを与え過ぎれば、北朝鮮の思うつぼです。米国は慎重に検討を重ねています。
トランプ氏もハノイ到着 米、どこまで譲歩するか焦点
前回の首脳会談は
シンガポールで2018年6月、記者会見するトランプ米大統領=AP
昨年6月の首脳会談。米国は事前に、「完全で検証可能、不可逆的な非核化(CVID)が受け入れられる唯一の結果だ」と繰り返していました。
ところが、ふたを開けてみれば、両国の合意文書にCVIDの文字はどこにもありませんでした。トランプ氏が正恩氏に押し切られる形で終わった、前回の会談を振り返ります。
米朝あいまいすぎる合意 結局、北朝鮮の主張ほぼ丸のみ
日本への影響は
イージス・アショアの配備候補地となっている陸上自衛隊の新屋演習場=2018年7月9日、秋田市新屋町、朝日新聞社ヘリから、福留庸友撮影
注目が集まるのは、拉致問題の解決に向けた動きです。安倍晋三首相によると、トランプ氏は事前の電話会談で「拉致問題を重視すると明確に述べた」といいます。
核・ミサイル問題を巡っては、トランプ氏が成果を急ぐあまり、米国本土を射程とする大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄だけを先行させ、日本を射程とするミサイルは棚上げになるのではないかという懸念が出ています。
動向を注視するのが、陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備が計画される秋田市の住民です。住民たちは、防衛省が「(配備の)結論ありき」だと憤っています。
米朝会談で陸上イージス見直しは? 候補地秋田の視線
(今さら聞けない世界)