京都、大阪、兵庫で起きた青酸化合物による連続不審死事件で、殺人と強盗殺人未遂の罪に問われた筧千佐子被告(72)は2月中旬、勾留されている大阪拘置所(大阪市都島区)で朝日新聞記者の面会取材に応じた。
白髪が肩まで伸び、疲れた様子。耳が遠いためか、記者と被告を隔てる透明のアクリル板に顔を近づけ、質問を聞き返した。一審で軽いアルツハイマー型認知症とされた被告は同じ話を繰り返しもしたが、質問にはよどみなく答えた。
控訴審での主張を尋ねると、「私なんかど素人でしょ。過去のことは忘れた」「弁護士に任せてるから、わからない。失言したらいけんから」などと語った。しかし一審の死刑判決に話が及ぶと、「飲んで死ねる薬があるなら飲みたい。ボケてないからね。いろんなこと覚えてるから。いいことも悪いことも」などと死を意識した発言を繰り返した。
そして時折笑顔すら見せていた被告の表情が急に真剣になり、「自分のまいた種だから、早く死にたいよ。しんどいから考えないようにしてる」と話した。
自身の認知症は「自分ではわか…