フィギュアスケート女子で4回転ジャンプの先駆者、スルヤ・ボナリー(45)が2月下旬、米ミネソタ州ミネアポリス郊外で朝日新聞の単独取材に応じた。生後まもなく孤児院に入ったこと、フィギュア界では少数派のアフリカ系選手として感じた人種差別のこと、1998年長野五輪で禁止されていたバックフリップを跳んだ真意などを赤裸々に語った。主なやりとりは次の通り。 フィギュア女子、4回転時代へ 先駆者ボナリーに聞く フィギュア特集 Kiss and Cry ――生まれた直後に孤児院にいたと聞いた。 「そう。大病院に孤児院がついているようなところ。その病院で母が私を産んだ後、両親はいなくなった」 ――スケートはいつ?。 「2歳の時。生後9カ月で養子になり、養母は体操教師だった。彼女にとって水泳や陸上、スケートを教えることは普通のこと。養父はオフィスで働いていた。彼もとても協力的だった」 ――4回転ジャンプに挑戦したのはいつごろか。 「確か1990年の大会で挑んだと思う。92年アルベールビル五輪で、私が最初に五輪でも挑戦した。95年くらいまで、しばらくは4回転に挑戦していた」 ――千葉であった94年世界選手権で2位。優勝は佐藤有香だった。表彰式で銀メダルを素直に受け取らず悔しさを隠さなかった。 「私はフランスでも欧州でもトップ選手だと思っていた。ただ、良い選手がいる国での試合は難しい。(観客の声援で地元選手が有利になるホームアドバンテージがあり)米国の試合なら米国選手が強いし、ロシアに行けばロシア選手が勝つことが多い。日本に行けば、日本人なのか……。正直、やっぱりな、と思った」 ――長野五輪でバックフリップを跳んだ。禁止されている技をなぜ。 「ショートプログラム(SP)… |
「反逆児ではない」 ボナリーが今語る禁止のバク宙
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