東京都文京区の自宅で妻を殺害したとして殺人罪に問われた講談社のコミック誌「モーニング」元編集次長・朴鐘顕(パクチョンヒョン)被告(43)=休職中=に対し、東京地裁は6日、懲役11年(求刑・同15年)の判決を言い渡した。弁護側は自殺だと訴えて無罪を主張したが、守下実裁判長は「自殺のストーリーは不自然だ」と退けた。
判決によると、朴被告は2016年8月9日、自宅で妻(当時38)の首を圧迫して窒息死させた。殺害場所は、血痕や失禁に伴う尿の痕が検出された1階の寝室だと認定した。
弁護側は、妻が寝室でもみ合いになって一時的に失神して失禁した後、階段の手すりにかけた衣服で首をつって階段から落ちたと、自殺を主張していた。判決は、尿の量からすれば短時間での意識回復は考えにくいうえ、階段に尿の痕がないのは不自然だと指摘。自殺を装うため、被害者を階段の下に移動させ、「隠蔽(いんぺい)工作」したと判断した。(阿部峻介)