フランスのルメール経済・財務相は6日の会見で、ゴーン前会長の保釈について「拘束を受けずに落ち着いて裁判に臨める。いいことだ」と評価。さらに「私は推定無罪の原則を絶えず提起してきた。この原則が守られ、なるべくいい条件で裁判を受けられることが重要だ」と述べた。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
仏経済紙レゼコー(電子版)は6日、保釈を端的に「自由だ」と報じ、条件として自宅に監視カメラが設けられるなどの点について「斬新だ」と伝えた。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズは保釈時の様子を詳述。「交通指導員のような変装で拘置所の外へ」「灰色の作業着に青色の帽子、外科用のマスクを着用」などと紹介し、「待ち受けた国内外の多くの記者たちを避けるようにして拘置所を去った」と伝えた。
ロイター通信も前会長の変装に注目し「たくさんの記者らはゴーン氏に気付かなかった」と報じた。仏AFP通信は前会長について「自身のビジネス帝国を失ったが、名誉を回復する戦いは、始まったばかりだ」と記した。
英BBCも拘置所前からの中継映像を流し、「保釈後は黒いリムジンに乗るかと予想されたが、小さなワゴン車だった」と驚きを交えて報道。長期勾留を批判する「人質司法」との指摘があることにも言及した。(パリ=疋田多揚)