ブランド価値の高い「和牛」の受精卵が不正に中国に持ち出されそうになった事件で、大阪府警は9日、家畜伝染病予防法違反容疑などで男2人を逮捕し、解明を進めている。海外でも高まる和牛人気が背景にあるとみられ、業界は「流出」への警戒を強めている。
和牛の受精卵を中国へ 無検査持ち出し容疑、男ら逮捕
「高い品質で世界に知られる日本産和牛が、もう少しで中国に入るところだった」。昨年11月、中国の大手ネットメディアが今回の事件を日本メディアの報道などを引用して伝えると広く転載され、中国での関心の高さを示した。
中国での和牛人気は高い。中国政府はBSE(牛海綿状脳症)騒動などもあって和牛の輸入を禁止したが、現在でも香港などを経由して持ち込まれているとみられている。
中国東北部の焼き肉店経営者によると、日本の焼き肉店風の内装やメニューを出す「日式焼き肉店」の出店が相次ぎ、オーストラリア産の「WAGYU」も含めて仕入れ価格が近年高騰している。中国産牛肉は硬くて脂肪が少ないため、脂がのった霜降りの軟らかい肉が受けているという。
自らの店でも日本産和牛のヒレ…