日米両政府が通商交渉を4月にも始める方向で調整していることが分かった。初会合では交渉の対象範囲を決める方針。米中の通商協議の影響で遅れる可能性もあるが、日米両政府はトランプ米大統領が訪日する5月下旬までには初会合を開く考えだ。
日本側から、交渉を担当する茂木敏充経済再生相が4月に訪米して初会合を開く案を米側に打診した。政府関係者は「5月の日米首脳会談までに最低1回は交渉する」と話した。
日本は、米国の強い求めで二国間交渉に応じることになったため、これまで交渉を急ぐ理由はなかった。だが、トランプ氏との友好関係を維持して交渉を円滑に進めるためにも、訪日までに一度も交渉をしていない状況は避けたい考えだ。
日米通商交渉は当初、1月下旬にも始まるとみられていた。遅れた要因は対立が続く米中の通商協議だ。米政権にとっては、経済・軍事面での覇権争いともいえる中国との協議が最優先課題。「日米交渉は米中首脳会談が終わるまでは全く動かない」(米通商代表部の元幹部)との見方が強い。
その対中協議では、トランプ氏…