英議会下院(定数650)は14日夕(日本時間15日未明)、3月末に予定された英国の欧州連合(EU)からの離脱の延期を問う採決を行い、賛成413、反対202の賛成多数で可決した。EUの同意が必要となるものの、延期は濃厚となり、次はいつまで延期するかが焦点になりそうだ。
メイ政権が提出した動議は、①離脱延期へEUと協議する②離脱の条件を定めた協定案が20日までに英議会で可決されたら延期は6月末までとする③協定案が可決されなかったら延期はもっと長くなり、5月末の欧州議会選に英国も参加せざるをえなくなる――という内容だった。
採決結果を受けて、メイ政権は20日までに協定案の3度目の採決に挑む方針だ。ただ、協定案には英国がEUの関税ルールに縛られ続ける規定が含まれ、与党・保守党からも反発が強い。1月に230票差という大差で否決され、今月12日の修正案の採決でも149票差で否決されている。メイ政権は、次も否決されれば延期は長期化し、いつ離脱できるか分からなくなると、協定案に反対してきた保守党の強硬離脱派に迫る作戦だが、大差をひっくり返すのは厳しそうだ。
離脱の延期にはEUの同意が必…