アフリカ東部エチオピアで乗員・乗客157人を乗せたエチオピア航空の旅客機(米ボーイング737MAX8型)が墜落した事故で、エチオピアのモゲス運輸相は17日、事故機の記録装置ブラックボックスの分析を基に、昨年10月にインドネシアで発生した同型機の墜落事故と、「はっきりとした類似点がある」と主張した。
具体的な内容は明らかにしなかったが、今後、30日以内に事故の状況や原因をまとめた予備報告書を発表するとしている。
事故機から回収されたブラックボックスは、フランスの航空事故調査局が解析を進めていた。事故は離陸からわずか6分後に発生した。インドネシアでの事故も離陸直後に墜落しており、状況に類似点があるとして機体のシステムに異常がある疑いが浮上。米国を含む世界で同型機の運航禁止の動きが広がっている。
これに対し、ボーイングのデニス・ミュイレンバーグ最高経営責任者(CEO)は17日、「以前に発表した(操縦支援システムの)ソフトウェア更新とパイロット訓練の見直しは完了しつつある」とのコメントを発表。「米国家運輸安全委員会の指導や要求に従い、技術協力を続けていく」との考えを示した。
一方、事故から1週間となった17日、首都アディスアベバで犠牲者の追悼式が開かれ、遺族や友人、航空会社の職員らが出席し、突然の死を悼んだ。
教会で開かれた式では、遺族らが遺影を持ったり、写真入りの黒いシャツを着たりして出席。犠牲者の棺が運ばれると、その場に泣き崩れる女性もいた。
乗客の国籍は35カ国に上り、ケニア32人、カナダ18人、エチオピア9人、中国、イタリア、米国が各8人。エチオピア航空の乗員のほか、国連職員も20人以上が亡くなった。
客室乗務員のいとこを事故で亡くしたティギスト・セユンさん(28)も追悼式に出席。「1歳の娘を残して亡くなるなんて……。事故は防ぎようがないかもしれない。でも、こんな悲劇は二度と起きないで欲しい」と訴えた。(アディスアベバ=石原孝)