350頭以上のゾウの牙を密輸したなどとして、アフリカ東部タンザニアの裁判所は19日、「象牙の女王」と呼ばれた中国人実業家、ヤン・フェン・グラン被告(69)ら3人にそれぞれ禁錮15年の実刑判決を言い渡した。
地元メディアなどによると、ヤン被告は2000年から14年ごろまでの間、130億タンザニアシリング(約6億1600万円)相当の象牙を密輸したなどとして、15年10月に訴追された。
ヤン被告は1970年代からタンザニアに住み始めた。現地にある中国アフリカビジネス会議の事務局長を務める一方、東アフリカと中国との間で巨大な密輸ネットワークを築いたという。
象牙は中国やベトナムなどでネックレスや彫像品として需要があり、密猟が横行。タンザニア国内のゾウは09年の約11万頭から5年後に約4万3千頭まで急減しており、国内外で取り締まりが強化されている。(ヨハネスブルク=石原孝)