アフリカ北東部スーダンで約30年にわたり権力を握るバシル大統領は22日、自身の即時退陣を求める抗議デモが国内各地で相次いでいることを受けて、1年間の国家非常事態宣言を出した。抗議デモは、パンの価格高騰やガソリンの供給不足をきっかけに昨年12月から続いている。AP通信によると、デモ隊が治安部隊と衝突するなどして、これまでに少なくとも57人が亡くなったという。
スーダンでは油田の8割を占めていた南部が2011年、南スーダンとして独立。以来、石油関連製品の輸出が約75%も減少した。経済の低迷を打開できないバシル氏に対し、国民の批判が高まっている。(ナイロビ=石原孝)