東京都江東区のマンションで住人の加藤邦子さん(80)が「アポ電」と呼ばれる不審な電話の後に殺害された事件では、強盗殺人容疑で逮捕された3人のうち2人が渋谷区で起きた二つの強盗事件のうち1件の実行役だった疑いがある一方、もう1件は別の人物らが関わった疑いが浮上している。警視庁は同じグループが組織的にメンバーを入れ替えて3件の強盗に関与したとみて実態解明を進める。
2つの「アポ電」強盗、土足痕が合致 江東と渋谷の事件
捜査1課によると、江東区の事件で逮捕されたのは川崎市川崎区京町2丁目、土木作業員小松園竜飛(たつみ、27)▽住所不定、無職須江拓貴(すえひろき、22)▽同酒井佑太(22)の3容疑者。いずれも容疑を否認している。
捜査関係者によると、2月1日に渋谷区笹塚2丁目の高齢者夫婦が住む一軒家に3人組が押し入り現金400万円などが奪われた事件では、室内に残っていた土足痕や防犯カメラに映っていた実行役の特徴などが、江東区の現場で確認された小松園、須江両容疑者のものと酷似していた。
一方、1月11日に渋谷区初台1丁目で高齢者夫婦宅に3人組が押し入った強盗事件では、防犯カメラ映像の解析などから、小松園容疑者ら3人とは別のメンバーが関与している疑いがあることがわかった。
渋谷区の2件でも江東区の事件と同様、事件前、被害者宅に資産状況を尋ねる「アポ電」がかかってきていた。警視庁は、手口が酷似していることなどから、同一グループの男らが事件ごとに役割を替えながら関わった疑いがあるとみて、3容疑者以外に関与した人物がいないか調べている。
また、江東区の事件発生直後、…