自動車整備工場から産業用機器(時価計約3万500円)を盗んだとして建造物侵入と窃盗の罪に問われた高知県安芸市の自動車整備士の男性被告(77)に対し、高知地裁は3月22日、罰金15万円執行猶予2年(求刑罰金30万円)を言い渡した。罰金刑に執行猶予が付く判決は異例。
判決によると、被告は2017年6月22日、南国市の自動車整備工場に侵入し、自動車の性能を測定する電子機器など2点を盗んだ。この電子機器の所有権を巡っては被告の友人と被害者が争っており、被告は友人のために取り返そうとして犯行に及んだとした。
被告の犯行について山田裕文裁判官は「実力で友人の権利実現を図ろうとした野蛮な態度」と指摘した。その一方で、「自己の利欲が目的ではなかった」などと述べ、「量刑慣行上例外的な取り扱い」として執行猶予判決を言い渡した。(加藤秀彬)