日本が全面支援するインドネシア初の地下鉄部分を含む都市高速鉄道(MRT)の開業式典が24日、首都ジャカルタで開かれた。第2期の延伸工事も同日に始まり、大渋滞を緩和するきっかけになるとの期待が高まる。その一方で、商業運転を目前に、試乗した市民らによるマナー違反が国内で問題になっている。
首都中心部に設けられた式典壇上で、ジョコ大統領は「今日はMRTによる文明開化だ」と切り出した。工事から車両、運行管理まで日本が全面支援しており、石井正文・駐インドネシア大使や国際協力機構(JICA)理事らも参加。ジョコ氏とそろって開業を告げる大きなボタンを押し、警笛が鳴り響くと、埋め尽くした大勢の市民らが拍手を送った。
商業運転は4月1日からで、1日13万人の乗客を見込むが、運賃やダイヤは未発表だ。中心部を貫く南北線15・7キロで、道路が渋滞すると1時間以上かかるのが30分で移動できる。7・8キロの延伸工事も始まった。
石井氏は式典後、報道陣に「日本とインドネシアの友情の証し。ジョコ大統領から『MRTはこれからも日本と協力してやりたい。東西線も急ぐように』と言われた」と話した。
高まる期待に、国内では最近、ツイッターでジャカルタの略称JKTを付けた「#MRTJKT」が話題の上位になっている。ただ12日から始まった試乗運転での客のマナーの悪さを批判する投稿が相次いでいる。
ごみのポイ捨てのほか、駅構内で地面に座り込んだ家族が弁当を広げて食べたり、ホームで列に並ばなかったり。列車の中でも、両手でつり革にぶら下がるのを記念撮影したり、座席の上に靴のまま立ったりした写真が拡散している。
これに対し「乗客の意識改革が…