韓国国会が26日開いた聴聞会で、南北関係を担う統一相候補の金錬鉄(キムヨンチョル)氏は「我々の役割は非常に重要だ」と述べ、米朝対話の早期再開に意欲を示した。だが、米朝とも韓国との協議には冷淡な姿勢を続ける。数少ない成果とされた南北政策まで立ち往生すれば、文在寅(ムンジェイン)政権には大きな痛手だ。
米韓関係筋によれば、米朝首脳会談後、韓国は米国に対し早期に外相会談を開くよう申し入れ、文大統領が訪米できるとも伝えた。だが、26日時点で両会談の日程は固まっていない。
今月訪米した韓国元政府当局者によれば、米政府関係者や専門家らは、文氏が1日の演説で開城工業団地事業の再開に意欲を示したことなどに不満を示したという。合同軍事演習も縮小が続き、韓国内では米韓同盟の弱体化を懸念する声が上がる。
一方で北朝鮮は22日、開城の南北連絡事務所から要員を一時撤収する動きを見せた。文政権は3月末から4月にかけて金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の訪韓を目指したが、実現のめどは立っていない。韓国政府関係者はこうした北朝鮮の思惑について「韓国がいま経済支援ができないことを知っている。利用価値がないとみているのだろう」と語った。(ソウル=牧野愛博)