日立GEニュークリア・エナジーなどは28日、メルトダウンを起こした東京電力福島第一原発1号機の原子炉内部を調べる潜水ロボットを公開した。これまでの調査装置の中で最も大きく、カメラや線量計など搭載できる計器が増えた。今夏にも、調査に乗り出す。
ロボットは全長1メートル。作業員が遠隔で操作し、後から投入する別のロボットの潜水ルートの目印となるリング状の部品を壁の計8カ所に取り付ける。半年ほどかけて、格納容器内の詳しい状態を調べ、堆積(たいせき)物を採取する。超音波スキャナーなどを搭載した6種類のロボットを投入するという。
1号機は一昨年の調査で、原子炉格納容器の底に砂状の堆積物が確認された。だが、溶け落ちた核燃料(デブリ)とみられる溶融物は見つかっていない。廃炉作業を進めるには、正確なデブリの位置を把握する必要があり、複数の計器を搭載できるロボットの開発を進めてきた。
電力会社と原子炉メーカーなどでつくる国際廃炉研究開発機構と日立GEが開発した。日立GEの開発担当者は「デブリの取り出しに向けて、より広範囲のデータをとれるようにしたい」と話した。(川原千夏子)