ロイター通信は29日、2月末にハノイで開かれた米朝首脳会談で、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に対し、核兵器と核物質を米国に引き渡すように求めた文書を手渡していたと伝えた。
トランプ氏が正恩氏に文書を手渡したことは、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が首脳会談後の米メディアのインタビューで明らかにしたが、米側にとっての非核化の「定義」を記した文書だったと述べるにとどめていた。
ロイター通信が確認したという文書によれば、米国は、核施設や化学・生物化学兵器計画の完全な廃棄▽核計画の包括的な申告▽米国や国際機関による査察▽核計画に携わった科学者や技術者の商業部門への配置転換――を求めていたという。内容はボルトン氏がかつて提唱した「リビア方式」に沿ったものとみられるという。(ワシントン=園田耕司)