徳川家康の外交顧問だった英国人の三浦按針(あんじん)(ウィリアム・アダムス、1564~1620)の墓と伝わる長崎県平戸市の石碑下で出土した人骨は、西洋人の骨と判明した。平戸市が1日、発表した。三浦按針とは断定できていないが、市の担当者は「可能性はより高くなった」と話す。
人骨は2017年7月、市の調査で見つかった。同市大久保町の公園にある伝按針墓立碑の下の地中(深さ約20センチ)に口の縁が直径約12センチ、高さ約20センチのつぼがあり、中に100個以上の骨片があった。これを土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアム(山口県下関市)が調査。西洋人の可能性が高い男性1人の骨と判明した。
市によると、骨から抽出したミトコンドリアDNAの塩基配列が西ヨーロッパと北ヨーロッパに見られるタイプだった。骨に含まれるコラーゲンの中の炭素の測定で、死亡時期は1590~1620年の可能性が高いことも判明。市の文献調査などによると、戦国末期から江戸時代初めにかけ、平戸では約70人のヨーロッパ人が死亡したとされる。うち西・北ヨーロッパ系で死亡時期が重なるのは按針を含め10人という。
骨が按針のものかどうかを判断…