島民の90倍の観光客が訪れる琵琶湖の離島・沖島(滋賀県近江八幡市)。島と対岸をつなぐただ一つの公共交通機関の通船が次々とピンチに見舞われている。事故、担い手不足……。島民が綱渡りで運航を続けるが、「いつか行き詰まるのでは」と心配する声も出てきた。
船着き場の沖約150メートル。沖島港の防波堤のコンクリートの一部が割れていた。1月28日夜、島から帰る小学校教員ら11人を乗せた通船が出港直後、激突した。国の運輸安全委員会によると船は正面からぶつかった可能性が高いという。
船長(69)を含む9人が負傷。船長は脳内出血で入院した。「なぜこんなことになったのか。自分でもわからない」。船長は事故後、沖島漁協の奥村繁組合長(71)に伝えた。復帰の見込みは立っていない。
通船は約20年前、島の自治会…