大阪維新の会代表の松井一郎・大阪市長は11日、大阪都構想案を作成する大阪府・市の法定協議会について、知事・市長の4年の任期内に住民投票を実施することを前提に再開させる考えを明らかにした。その上で、維新が過半数に満たない市議会で多数派工作に乗り出す考えも示した。
松井氏はこの日、大阪市の党本部で記者会見し、都構想の是非を問う住民投票の実施時期をめぐって交渉が決裂した状態になっている公明党について、「任期内に住民投票(実施)に賛成すると言ってもらいたい」と発言。「アリバイづくりで(法定協に)参加するのはだめだ」と述べた。
また、維新政調会長の吉村洋文・知事も同日会見し、「党としてのスタンスを表明するべきだ」と述べ、公明府本部として実施の確約を表明するべきだとの考えを示した。
一方、住民投票の実施には府・市両議会で過半数の議決が必要。維新は7日のダブル選と同日実施された府議選では過半数を獲得したものの、市議選では過半数に2議席足りなかった。このため、公明を含む他会派の協力が必要な状況となっている。
松井氏は市議会について「住民投票は了承する人を2人増やしたい」と語り、都構想に反対でも住民投票の実施に賛成する市議に協力を求める意向を示した。協力する議員には維新会派入りを求めないが、次期市議選で「人間関係はできる」と述べ、対立候補擁立の回避など選挙で配慮する姿勢をにじませた。協力する市議が2人に達した場合は「(公明に)配慮することはなくなる」と明言。次期衆院選で公明現職がいる関西6選挙区に対立候補を擁立する考えを示した。(楢崎貴司、吉川喬)