韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は15日、大統領府の首席秘書官会議で、「南北首脳会談を本格的に準備し、推進する」と語った。11日にトランプ米大統領と行った会談の結果を金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に直接伝え、3回目の米朝首脳会談の開催を促すねらいがある。ただ、正恩氏が南北会談に応じるかは見通せない。
正恩氏は12日の最高人民会議で演説し、条件付きで第3回の米朝首脳会談を行う用意があると語った。文氏はこの点について、「対話を持続するという意思を見せてくれた。高く評価し、歓迎する」と述べた。
ただ、正恩氏は同じ演説で「(北朝鮮に全ての核関連施設の完全廃棄の約束を迫った)ハノイのような会談が再現されることは嬉しくないし、行う意欲もない」とし、米国に譲歩を迫っている。韓国政府について「(米朝関係の)仲裁者や促進者のふるまいをせず、民族の利益を擁護する当事者になるべきだ」と批判したが、文氏はこの発言には言及しなかった。(ソウル=武田肇)