タイ中部パタヤ郊外の振り込め詐欺グループの拠点とみられる住宅で日本人15人が不法就労容疑で逮捕された事件で、警察庁が現地に派遣していた捜査員が20日、羽田空港着の航空機で帰国した。同庁はタイ警察当局から提供を受けた事件に関する情報を分析して被害の特定を急ぐ。
捜査員らは16日に現地入り。拠点を直接確認するなどし、押収されたパソコンやメモなどについての情報をタイ当局から得たという。資料によると、日本に電話をかけて架空の支払いを請求し、電子マネーを介して現金をだまし取るなどしていたとされる。被害は日本各地の約200人、総額2億円超にのぼるとみられるという。
警察庁は今後、被害の裏付けを急ぎ、詐欺容疑などでの立件にむけ、関係警察による捜査をどう進めるか検討する。
今回の派遣では、奈良県の別の振り込め詐欺にかかわったとして国際指名手配され、タイで不法滞在容疑で逮捕された無職の男を日本に移送した。