サッカーのなでしこリーグで活躍する籾木結花選手(日テレ)はインタビュー取材で、学生時代の勉強方法やW杯への思いも明かしてくれました。
慶大卒、異色のなでしこ 23歳、集客力アップへ奔走
――この春に慶大総合政策学部を卒業。中高での勉強も大変だったのでは。
「メニーナ(日テレ・ベレーザの下部組織)で、『ちゃんと勉強もやっておかないと、サッカーをやらせない』という教育方針を常々言われていました。その環境が、サッカーだけでなく、大学の勉強、集客プロジェクト、社会人になるにあたってのキャリア選択につながっているのかなと思います」
――中高ではいつ勉強していたんですか。
「すごいませてたのかもしれないですけど、学校で習う勉強は大人になっていきてくるのかなと思いつつ、メニーナの監督だったてらさん(寺谷真弓・現アカデミーダイレクター)が言っていることを聞いて、やっぱり勉強をやってないとだめなんだと思って6年間勉強しました」
「テストの日は、朝早く学校に行ってひたすら頭に詰め込んでアウトプットする方法でテストはしのぎました。行き帰りの電車が一緒のチームメートとは、お互いに問題を出して効率よく勉強していました」
「中学、高校の6年間は毎学期、成績表をもらうと、コンビニでコピーして、どきどきしながら監督に見せに行くことをみんなでやっていました。遅刻もしっかり見られているので、遅刻1回でグラウンド10周というのもありました」
――4月からは、総合スポーツクラブも運営する会社で働き始めました。
「2011年にワールドカップドイツ大会で日本が優勝した当時、代表選手に全然プロ選手がいませんでした。事務作業といった仕事とサッカーを両立している選手たちが世界一になった、と美化をされていることが疑問でした。仕事とサッカーを両立していることとは何なのかと、もやもやした部分がありました」
「サッカーだけをするということもわるいわけではありません。ただ、女子サッカー選手として、いろんなキャリアの歩み方があるということを、他の選手に示していきたいというところがありました」
――プロとして海外でプレーするという選択肢はなかったですか。
「海外でプレーしたい思いは、まだあります。でも、サッカーだけをやっているっていうのが、自分の頭のなかにはないです。うーん、プロとして契約していただけるなら、もちろん契約していただきたいんですけど、空き時間で絶対、自分はなにかやっているなっていうのはすごく想像がつきます」
――3月に負傷して、4月の日本女子代表の欧州遠征は辞退。現在の状態は。
「4月14日の日体大戦で時間制限はあったんですが、復帰してプレーできました。またここからさらにコンディションを上げていけるかなという気持ちです」
――代表がドイツ、フランスと対戦した欧州遠征は見ましたか。
「見ました。帰って来たチームメートから(日本が1―3で敗れた)フランスは『強い』という話も聞きました。もしワールドカップでさらに本気を出してきたフランスと戦うっていうことができるのであれば、やっぱりすごく楽しみ。そう考えたときに、絶対ワールドカップメンバーに入りたいという思いはさらに強くなりました」
――W杯を意識したのはいつですか。
「11年ワールドカップドイツ大会でなでしこジャパンが世界一になって、世界一になれるチャンスがあるのかもしれないっていう希望をもたせてくれたのが、あの先輩たちの結果でした」
――W杯に出たいのはなぜですか。
「アスリートとしてサッカーをやってきて、本当にトップのトップを突き詰められるところがワールドカップだと思います。そこに挑戦できる場所にいるので、メンバーに入りたいと強く思っています。それと、家族からの支えなしにはここまでこられなかった。おじいちゃん、おばあちゃんが特に喜んでくれるですけど、自分が活躍して、誰かを喜ばせたいということもやりたいです」(構成・堤之剛)