今年2月にNHK・BS1で放送され「今年度一番の名作」との声も上がったのが「ボルトとダシャ マンホールチルドレン20年の軌跡」だ。極寒の地に暮らすホームレスの少年たちのドラマチックな半生には視聴者からも大きな反響があった。再放送を前に制作の舞台裏を聞いた。
番組の主人公は、貧しさや義父の暴力で親元を離れ、モンゴルの首都ウランバートルにやってきたボルトとダシャ。制作会社「えふぶんの壱」会長でプロデューサーの山口秀矢(68)が1997年に取材を始めた際には、13歳と14歳の少年だった。
温水用パイプが通るマンホールの中で寝起きしていた子どもたちの中に、彼らもいた。ゴミをあさって食べ物を探したり、病気のまま放置されたりの過酷な環境。「ほとんどの子どもたちが、その日は会えても翌日はどこに行ったか分からなくなってしまう」状況だったが、ボルトとダシャには会い続けることができた。真面目に廃品回収で食いぶちを稼いでいた2人の足取りは、廃品買い取り所の大人たちに聞けばつかめたからだ。
2人の人柄も山口を引き付けた…