島根県津和野町の町郷土館で展示されていた「日本最古の岩」がなくなったと、同町教委が30日明らかにした。盗難とみているが、希少性は低いため被害届は出さないとしている。
町教委によると、岩は縦10センチ、横20センチ、厚さ10センチ、重さ3キロ。29日午後2時ごろ、来館者がなくなっていることに気づき、職員に伝えた。展示室は受付に職員1人がいるのみで、防犯カメラなどはなかった。岩はケースなどには入れられておらず、自由に触れられる状態だった。当日は約50人が来館したという。
岩は同町部栄(ぶさか)地区で採取された「花こう片麻岩(へんまがん)」で、分析した広島大の研究グループが今年3月、25億年前にできたものだったとして「日本最古の岩」と発表。町が同じ場所から岩を採取し、4月27日から展示していた。郷土館は岩を再び採取し、30日から再び展示している。持ち運びにくい大きなものにしたという。(市野塊)