天皇即位に伴い、秋に行われる「即位の礼」と「大嘗祭(だいじょうさい)」の期日を、陛下が宮中三殿に報告する宮中祭祀(さいし)「期日奉告の儀」が8日午前、行われた。皇后雅子さまも殿上で拝礼した。皇后さまが賢所(かしこどころ)、皇霊殿、神殿の三つで拝礼する祭祀に臨んだのは、療養に入る前の2002年12月以来。
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期日奉告の儀には、皇嗣の秋篠宮さまをはじめ皇族方8人のほか、安倍晋三首相ら三権の長、地方自治体の代表らも参列した。
天皇陛下は「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」と呼ばれる天皇のみが着用する束帯で午前10時半ごろ、皇祖とされる天照大神をまつる賢所の回廊を進んだ。前後には、神話に起源を持ち、皇位と共に伝わる由緒物とされる剣と璽(じ)(まが玉)を持った侍従が従った。剣と璽は普段、陛下のお住まいの赤坂御所に置かれており、儀式のために8日朝、陛下が乗ったセンチュリーロイヤルで皇居へと運ばれた。
内陣では、即位礼正殿の儀を10月22日、大嘗宮の儀を11月14、15日に行うことを記した御告文(おつげぶみ)を読み上げたという。
皇后さまも、天皇陛下が退出した後、古式装束の五衣(いつつぎぬ)・小袿(こうちぎ)・長袴(ながばかま)をまとって回廊を進んだ。髪は「大垂髪(おすべらかし)」に結い、手には扇。ゆっくりと内陣まで進み、拝礼を終えた。皇后さまが三つの殿舎を巡る祭祀に臨んだのは、02年12月に外国訪問から帰国した際の参拝以来だった。(長谷文、中田絢子)