小惑星に世界で初めて人工のクレーターをつくることに成功した探査機「はやぶさ2」が16日、着陸の目印となるターゲットマーカーを投下しようと高度約50メートルまで降下したところ、異常を検知して緊急上昇を始めたと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。原因は不明だが、機体は正常といい、JAXAは状況を確認する。
はやぶさ2のカメラ、飛び散る岩石撮影 衝突装置が成功
発表によると、はやぶさ2は、6月下旬以降に予定しているクレーター付近への着陸に備え、高度20キロの探査拠点から小惑星「リュウグウ」に降下していた。16日昼ごろに高度10メートルまで接近してターゲットマーカーを投下する予定だったが、降下を中止して上昇を始めたという。
レーザーなどで高度を測りながら自律降下していたとろで何らかの異常を感知したらしい。ターゲットマーカーは投下しなかった。現在、高度20キロの探査拠点に戻っている途中だという。(石倉徹也)