お茶の水女子大学付属中学校(東京都文京区)で秋篠宮家の長男悠仁(ひさひと)さまの机に刃物2本が置かれた事件で、建造物侵入の疑いで逮捕された京都市の無職長谷川薫容疑者(56)が事件後、大阪に移動して府内のホテルに宿泊していたことが捜査関係者への取材でわかった。その後、神奈川県平塚市まで戻っており、警視庁は再び東京を目指した可能性もあるとみて目的を調べている。
東京地検は精神鑑定のための留置を東京地裁に請求し、認められた。16日から約2カ月の予定で、鑑定結果を踏まえて刑事責任能力の有無を見極め、起訴するか判断するとみられる。
長谷川容疑者は4月26日午前11時ごろ中学校舎に侵入したとして逮捕された。捜査関係者によると、塀を乗り越えて大学敷地内に入って校舎に向かい、棒の先に粘着テープで固定された果物ナイフ2本を悠仁さまの机に置いた後、正門から立ち去ったとされる。
この4、5日前、京都市から上京してすぐ下見し、都内に滞在しながら渋谷区の大手雑貨店などでナイフなどを購入。事件後は最寄りの駅から地下鉄に乗り、東京駅で新幹線に乗り換え、大阪府内のホテルに泊まったという。さらに平塚市に移動したが、29日夜にホテルで身柄を確保された。
これまでの調べに「刺すつもりだった」と供述。「自分が来たことを知ってほしかった」とも話しているという。
警視庁は今回の捜査に、殺人など凶悪事件を担当する捜査1課と、防犯カメラなどの映像の収集・解析が専門の捜査支援分析センターを動員した。現場周辺から映像を丹念に追い、鉄道やホテルの利用記録も調べて足取りを確認。早期逮捕につなげた。