長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を不動産投資に使う不正が見つかった問題で、国が補助金を出したローンでの不正が100件超あることがわかった。ローンを提供する住宅金融支援機構は、不正分について補助金を国に返すことも考えている。
フラット35は機構が民間銀行などと連携して提供する最長35年の住宅ローン。居住用住宅向けが対象で、当初から投資目的で借りるのは融資契約に違反する。
省エネなどに優れた住宅だと金利が低くなる「フラット35S」がある。省エネやバリアフリーなどの性能基準を満たした住宅なら、金利が一定期間、下がる(2019年度は下げ幅0・25%)。引き下げの原資として国の補助金が使われており、機構が18年度に受けた251億円のほとんどがフラット35S向けという。
機構は17日、投資用なのに居住用と偽るなど不正利用の疑いがある融資が113件あり、9月までに実態を調べると発表した。価格を水増しし、多額の融資を引き出す不正も含まれる。113件すべてがフラット35Sで、試算では3月末までに計900万円の補助金が不正に使われた疑いがある。機構は「補助金が不正に支出されたと確認した場合、適切に対処する」、機構を所管する国土交通省も「本来の目的に反していれば、返還を求める可能性も含め適切に対処する」としている。
補助金は機構が国から受け取る…