パナソニックがインドで「庶民の足」として知られる電動三輪タクシーの運行支援に乗り出した。スマートフォンのアプリから電池残量や走行可能距離、充電器の場所などを簡単に確認できるシステムを提供し、効率的な配車につなげる。現地の企業と実証実験を進め、2020年度中の事業化をめざす。
「リキシャ」と呼ぶ三輪タクシーは人力や天然ガスで動き、インド国内で2千万台ほど普及しているという。このうち電動は数%にとどまるが、大気汚染などを理由に同政府が普及を後押ししており、商機が広がるとみられている。
従来の電動リキシャは鉛蓄電池を採用し、電池残量が確認しにくかったという。リチウムイオン電池に置き換えることで、この課題を解消したい考えだ。
実証実験は半年間、デリー周辺で実施する。約1千台の電動リキシャを持つ現地企業「スマートE」と組む。最大150台の電動リキシャを対象に、稼働効率などを検証する。パナソニックは「三輪タクシーがあるアジア圏内にも十分展開できる」(担当者)とし、軌道に乗ればインド以外でも提供する方針だ。(中島嘉克)