日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴された事件をめぐり、東京地検特捜部が、同容疑で告発された日産の西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者)を不起訴処分にしていたことがわかった。嫌疑不十分とみられる。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
処分は4月26日付。東京都内の男性(72)が告発していた。虚偽記載事件で、ゴーン前会長は未払い分の報酬を退任後の支払いにして隠していたとされる。関係者によると、西川氏は退任後の支払い方法に関する書面に署名していたが、特捜部の調べに対し「内容をよく理解せずに署名した」などと供述していた。
ゴーン前会長は2010~17年度の8年間で計約91億円の役員報酬を有報に過少記載したとして起訴された。男性は西川氏が有報の提出責任者だった16、17年度の2年分の虚偽記載について告発していた。