昨年10月に閉場した旧築地市場(東京都中央区)で解体作業が進み、「日本の台所」を支えた魚河岸の建物が次々と姿を消している。来年の東京五輪・パラリンピック期間中、跡地は選手や関係者らの輸送拠点として使われる。更地にした後、来月から駐車場の整備が始まる。
特集ページ 築地 時代の台所
解体作業は来年2月までの予定で、水産仲卸売り場など、敷地内にある164棟の建物の大半を解体する。跡地には、新たな都道環状2号線も通る。都によると、すでに建物の半分ほどが解体されたという。
昭和初期に建築された築地市場は歴史的な価値があるとして、専門家らは建物の保存を要望。都は解体する方針を変えていないが、鉄骨や建具の一部を保存するという。(西村奈緒美)